はとのつぶやき

伝統行事や寺社仏閣を巡るのが趣味。旅行・美術・歴史などが好きです。日々考えついたしょうもないことや関心のあること

秋の奈良

毎年、必ず訪れる場所がある。

秋の奈良だ。

 

旅行が趣味であちこち旅する土地の中でも、奈良は訪れるたびに魅力を感じる場所のひとつ。

奈良の好きなところは、素朴でおおらかで、どこかのんびりとした雰囲気。

そこへ秋のわびしい風情が合わさると、なんともいえない懐かしさを感じる。

  

 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

 

正岡子規のこの句は、秋の奈良の空気感が凝縮されているように感じて、とても好きな句だ。

 

 

古い建築や仏像のたくさんある奈良は、まさに芸術の秋にぴったり。

 

いつもたいてい近鉄で奈良へ向かい、駅から奈良公園まで散策する。

近鉄奈良駅前の噴水の前によく托鉢のお坊さんの格好の人がいるけど、立ち姿やお経の唱え方がちょっと胡散臭い。果たして本職のお坊さんなのか…

 

途中、興福寺の境内に立ち寄って五重の塔を見たり、鹿せんべいの屋台の周りを物欲しそうにうろつく鹿を見つけると、奈良へ来た高揚感が高まる。

 

 

秋の奈良に来る1番の楽しみがある。それは奈良国立博物館正倉院展を見にいくことだ。

学生の頃から毎年欠かさずに来ている。

 

えらく混雑しているので、はじめの頃は気合を入れて朝一番で列に並んでいたけれど、一時間は待つのがつらい。

 

ここ数年は、暗くなってから行くとすぐに入館できることを学んだので、オータムレイトチケット(夕方からの割引チケット)を活用して閉館1時間半前くらいに行ってスムーズに観賞する。

 

 

出品物は毎年変化があって面白い。

一昨年は動物の毛を使った宝物がいろいろと出品されていて非常に興味をそそられた。

わりとニッチなテーマ設定も毎年楽しみのひとつ。

 

よくよく考えると、聖武天皇の頃の宝物が、土に埋もれず略奪にも遭わず千年以上守られているって凄い。

 

例えば同じガラスのボウルでも、イランで出土したものと、宝物として守り伝えられた正倉院のものでは、保存の状態が全く違う。

 

大切に受け継がれてきた美術品が日本に数多くあることは素晴らしいこと。

正倉院展を見ると、それを作ったり、使っていた昔の人々を身近に感じられる。

 

 

今年も秋の奈良を訪れるのが楽しみだ。

 

 

お題「芸術の秋」